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【連載】002-重度障害者の自立生活とその過程 ②親子と社会の関係

ヘルパーステーションを10年間経営してきている中で、多くの重度障害者の
自立生活及びひとり暮らしをスタートに関わらせていただいております。

あなたは自立していますか?障害者の自立とはなんだと思いますか?
そもそも”自立”とはなんでしょうか!?辞書で自立を調べると・・・

1.他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を
受けずに、存在すること。「精神的に自立する」

2.支えるものがなく、そのものだけで立っていること。

という意味になります。

重度障害者の自立とは”他からの支配を受けずに、存在すること”
即ち精神的な自立が大切だと考えています。同時に母親も我が子の
成長をしっかり受け止めることも大きなポイントになってきます。

自分の意思をしっかり持って動くということは、自己選択・自己決定
をする力が必要不可欠になってきます。例えば、今日の服装やご飯何
作って食べるかを自分で決めること。

なかなか難しい現実があります。
多くはいくつかの候補をヘルパーさんや親御さんに出してもらうケー
スです。最初のうちは仕方がないかもしれないけれど、これが本当の
自立かと問われたら私は答えに戸惑います。

以前にもこのブログで書きましたが・・
例えば!利用者さんが今日の夜ご飯は何にしようか?”と考えたとして
「今日は疲れたからコンビニしよう!」
「今日は外に行きたくないし作るの面倒だからデリバリーを頼もう!」
「今日はご飯作りたい!」
「今日はお酒を飲みに行きたい!居酒屋行こう!」

この中で間違っているものはどれでしょうか?

コンビニ・デリバリーかと思う人がいると思いますが、
実はこの中に間違っているものはありません!!

なぜなら利用者が自己決定!
ヘルパーがいてコンビニ?デリバリー?と思うかも知れませんが、
あくまでも”介助”なんです!支援は求めない!
これに対して親御さんが「ダメ!」と言ってしまうと・・・自立生活
をした意味がなくなってしまいます。

だけど・・・
逆に失敗など起きたとしても、ヘルパーさんの責任ではなく利用者本人の
責任になります。生命に関わることは別にして。

社会から「障害者に自立生活させて親は何やっている?」と白い目で見られる
ことがあります。しかし障害があろうと「人」には変わりはないし「人権」も
あるのです。生きたい人生があるのならば、親・家族・福祉関係者も尊重して
いくことがその人のためになると思います。

ただ何でもかんでも尊重すれば良いかと問われたら、そうではありません。
障害者の多くは”社会経験”が極端に少ないので、マナーや常識など年相応
なことが身に付いていないのです。1つずつ教えていく必要があります。

自立生活、1つとっても本当に奥が深いです。
また親ごさんにとっても我が子に自立を見守るという試練が訪れます。
生まれてから20年以上一緒に生活をともにしてきています。ですから
急に自分の手から離れると戸惑ってしまいます。もちろんこれは仕方が
ないことだと思います。

親御さんも子どもと同様に”自立”していくことが大切ではないだろうか
と考えています。親御さんもひとりの”人”であることから”悔いのない人生”
にしていっていただきたいと切に願っています。

次は、意識・環境の変革について書いていきます。

 

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